
仮説 はこび天舟 2025年10月15日
創造主再創造論 ― 最後の思索
(魔法の思考術 外伝)
私たち人間は、創造主の一部である。
その創造主が無限の存在であるならば、人間の意識もまた、無限に続くはずだ。
肉体が消えても、意識という命は消えない。
それは、物質ではなく、宇宙を支えるエネルギーそのものだからだ。
地球は創造主の最高の思考によって設計された。
ゆえに、この宇宙に同じような地球がいくつもあるとは考えにくい。
もし多くの地球や宇宙人が存在するなら、それは創造主が未完成であることを意味してしまう。
完璧な創造主が、何度も試行錯誤をするはずがないからだ。
それでも、地球上には古代の遺跡や失われた文明の痕跡が残っている。
アトランティス、ムー、インカ、エジプト――。
その存在が人々に「宇宙人」や「異次元文明」を想像させるのは、当然のことかもしれない。
だが、私は別の可能性を考える。
それは「人類の発展は何度も繰り返されている」という仮説だ。
人類が成熟し、完成期を迎えたとき、自由を与えられた人間は、自らの手で文明を壊してきたのではないか。
創造主はその過ちを止めなかった。
なぜなら、創造主が介入すれば、人類の自由は失われ、人間は創造主の影に戻ってしまうからだ。
自由とは、創造主が人類に与えた最高の贈り物であり、同時に最も危険な試練でもある。
そして、人類が自ら滅びたあと、創造主は再び人間を創り出した。
それが「再創造」であり、その痕跡が古代文明として地表に残っている。
火を灯した原始人も、電気を操る現代人も、使っているエネルギーは本質的に同じだ。
創造主が最初に用意した“生命のエネルギー”から、人類は一歩も離れていない。
創造主は完全であるがゆえに、自由を制限しない。
人間が失敗することも、また神の計画の一部なのだ。
なぜなら、失敗を通してしか「成長」や「愛」を体験できないからである。
もしすべてが完璧に制御された世界なら、学びも感動も存在しないだろう。
人類の歴史は、創造主の学びの一章なのかもしれない。
創造主は人類を通して自己を体験し、愛の意味を深め続けている。
その果てしない過程こそが、宇宙の進化そのものである。
私たち一人ひとりの意識は、その大いなる試行の一部だ。
だからこそ、人間の意識は消えない。
それは宇宙の命であり、創造主の息吹のかけらだからである。
この仮説に証拠はない。
だが、もし心のどこかで納得を覚えるなら、それが真実の証かもしれない。
宇宙は、いつも心の奥から語りかけている。


